「山口県内最古の庭園」に行ってきました
先日、自宅近くにある
山口に帰ってきてから
宗隣寺の「龍心庭(りゅうしんてい)」はぜひ早く見ておきたい!
と思っていました。
先日、山口市にある「常栄寺(じょうえいじ)」に行ってきましたという記事の中でお話したのですが
大学の頃、友人たちと島根県から山口県にかけての庭園めぐりをしたことがありました。
その中で、常栄寺の次に訪れたのがここ宗隣寺。
というだけでもそそられるのですが、
ここ宗隣寺の龍心庭にある「干潟様(ひがたよう)」と呼ばれる
鎌倉時代の作庭技法の遺構が現存しているのは
・岩手県西磐井郡平泉町の毛越寺(もうつうじ)
・山口県宇部市の宗隣寺
国内にこの2ヶ所のみと言われています。
学術的にも非常に貴重なお庭なのです。
当時、ぜひ一度見ておこうと
夏のうだるような暑さの中、宇部新川駅からここへ向かって歩いてきたのでした。
「龍心庭」の縁側にすわって、お庭を眺めながら涼んだときのあの時間を今でも覚えています。
・お庭を眺めるのが好き
・写真を撮るのが好き
・静かな場所で時間を忘れてぼーっと景色を眺めたい
そんな人にはぜひ一度行ってみてほしい、そんなお庭をご紹介します^ ^
宗隣寺龍心庭(そうりんじりゅうしんてい)は山口県宇部市(うべし)にあります。
地図の赤丸の部分です。
【Googleマップから引用後一部加工】
山口県の左下あたり、山口宇部空港から車で10分ちょっとの場所にあります。
お寺の歴史を要約すると、
奈良時代の777年、唐から来た為光和尚によって、松江山普済寺(ずんごうざんふさいじ)がこの地に創建。この普済寺はやがて荒廃し、いつ廃絶したのかは不明だが、その後江戸時代中期の1670年に、宇部領主の福原広俊が、父である元俊の菩提寺として「宗隣寺」を建立。
本堂の北側にある「龍心庭」は普済寺のお庭を改修したものと考えられており、そうなるとこのお庭が作られたのは南北朝時代よりも前ということになる。この時代よりも前のお庭は山口県内には存在しないことからも、ここ龍心庭は「山口県内最古の庭園」と呼ばれている。
ということになります。
さらに、鎌倉時代の遺構を残す貴重な庭園でもあります。
後ほど写真をみていただくと分かるのですが、
これは夜泊石(よどまりいし)と呼ばれ、
であり、鎌倉時代頃にあらわれはじめた表現とされています。
そして、
これは
する手法で、先ほど述べたように現存するのは毛越寺とここの2ヶ所のみと言われています。
僕は学生時代、実際に毛越寺の庭園にも行ってきました。
遠く離れた岩手県と、ここ山口県の庭園がつながっているということにロマンを感じました^ ^
実際に撮影してきた写真はこちら
【池の中に配置された石が夜泊石】
この池の中の石が、停泊する舟を表現していると言われています。
【ここのお庭は天気に関係なくいつ訪れても美しいです】
【鳥のさえずりと新緑を楽しむ】
【欄干の下に足を通すスペースがあり、腰掛けて眺めることができるようになっています】
【少し光が差し込んできました】
【植栽の美しさ】
【どちらから眺めても美しいですね】
【きっと秋も美しいのだろうと感じます】
【駐車場にいらっしゃった微笑み地蔵】
受付にて
「ぜひ欄干の下に足を入れてみてお庭を眺めてみてください。目の前でお庭をお楽しみいただけますよ」
と説明がありました。
遠くから眺めるもよし。欄干の下に足を入れて目の前でお庭を楽しむもよし。
庭園がより身近に感じられる工夫が施されていますよ。
こんな形で見ることのできるお庭は少ないのではないでしょうか。
ここ宗隣寺には無料の駐車場があるので、車で行く方が多いのではないかと思います。
どちらの方から来ても、カーブのすぐ直後にありますので、車で来られるさいは見落とさないように
注意してください。
すると宗隣寺の境内へと続く階段の前に到着します。
階段横の坂を上がったら駐車場です。
【Googleストリートビューを引用後一部加工】
ここの坂が少し狭くなっているので、ゆっくりと登ってください。
最後の坂道がやや狭いですが、それまでの道はごく普通の道路なので、ドライブの目的地としても良いと思います。
※僕が学生の頃は、「宇部新川」駅から歩いて行きました。歩いておよそ30分ほどなので、駅から歩けない距離ではありません。運動として歩いて行ってみるのも良いかもしれませんね。
今回は山口県宇部市にある宗隣寺の龍心庭に行ってきました。
お庭に入ると、おじいさんが語る庭園の解説音声が流れるのですが、
僕が10年ほど前に訪れたときとまったく変わってなくて、どこか懐かしく感じました。
そして、この日は受付でコスモスの種をいただいたので、自宅で育ててみたいと思います。
袋にはそう書いてありました。
お寺にいくと、言葉であれ、風景であれ、雰囲気であれ、
いつも何かハッとさせられるような気づきをいただくことがあります。
皆さんも一度、山口県最古のお庭を眺めてみてはいかがでしょうか^ ^
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