京都の秋はどこも魅力的な風景であふれていた
毎年この時期になると、そろそろ紅葉の時期だなと意識するようになります。山口にUターンしてきた現在でも、やっぱりこの時期は紅葉の写真をどこに撮りに行こうかと考えたりします。
学生時代から京都でおよそ13年暮らしてきて、さらに趣味で写真を撮ることが好きだったので
京都に住んでいたときはいろいろなところに紅葉狩りへ出かけたものでした。
コロナ禍では落ち着いていましたが、秋の京都の人混みは凄まじいものがあります。今年の紅葉シーズンの人出はすごいことになりそうな気がします。
またいつか秋の京都に写真を撮りに行きたいなと思いつつ、山口の紅葉の名所も見つけて行きたいなと思っています。
でも、秋の京都をあちこち散策した経験は一生忘れることのない思い出になっています。これから秋の京都へおでかけされる方の参考になればいいなと思い、個人的に秋の京都で行って良かったと思う場所についてご紹介していきます。
は大体いつ頃?
「京都」と言っても縦に長いので、もちろん北の方は市内よりも早く紅葉の見頃を迎えます。
僕の中では京都市内は例年11月上旬頃から色づきはじめ、11月20日前後に見頃を迎えて人出が最高潮に達するというイメージです。
京都北部の舞鶴方面はそれよりもう少し早く紅葉が進むイメージです。
その年によって若干前後しますが、おおよそこんな感じのイメージかなと思います。
紅葉の時期になると、日々見頃の情報が発信されたりもするのでチェックしておくと良いと思います。
下鴨神社の糺の森は市内でも最も遅く紅葉が見頃を迎える場所でもあり、この糺の森が見頃を終えると、京都の紅葉シーズンは終わったなぁといったイメージだと思います。
印象に残っている場所
それでは僕が実際に行ってみて印象に残っている場所をご紹介していきます。
※数年前に撮影したときの情報などもあるので、実際に訪れるときは事前に確認してください。
【いつかのライトアップにて】
高雄周辺は京都の中でも比較的早めに紅葉の見頃を迎えるスポットになります。
京都駅からバスに乗って1時間ほどでしょうか。バス停から少し歩くので歩きやすい服装がおすすめです。
アクセスが少し不便ということもあり、市内のメジャースポットよりかは比較的落ち着いて楽しむことができるのではないかと思います。
ひんやりとした空気の中、自分の足音を聴きながら、ゆっくりと紅葉を楽しめた時間はとても良い思い出です。
蓮華寺
【額縁庭園と秋の紅葉を楽しむ】
叡山電車の「三宅八幡」駅から歩いて10分ほどの場所にあります。
僕が訪れていた数年前は平日だとまだ人も少なく、ゆっくりと時間を過ごすことができました。
ひんやりとした空気の中、風に揺れる紅葉の音を聞く時間はとても心地良いですよ。
南禅寺 天授庵
【夜間拝観終了直前の一瞬を切りとった】
天授庵は三島由紀夫『金閣寺』にも登場します。主人公たちは南禅寺の山門からここ天授庵を見下ろすのでした。
【南禅寺の山門から見下ろすと】
拝観自体が行われるのか、行われてもライトアップまで行われるのかはその年によって変わります。
このときは非常に多くのカメラマンの方がおられましたが、拝観終了間際の人がいなくなった瞬間を切り取りました。
南禅寺は地下鉄の「蹴上」駅からのアクセスが良好であることや、紅葉の名所である永観堂への道の途中にあることからも多くの人が訪れます。
【紅葉の中から三重塔を眺める】
僕はここは必ず毎年訪れていました。
境内の中は無料で散策することができるのですが、紅葉と三重塔の組み合わせがとても美しくて
毎年のいろいろな構図で写真を撮っていました。
晴れた秋晴れの日に散策すると、とても美しい景色に出会うことができます。
【夜の瑠璃光院にて】
SNSの影響もあり、今や京都を代表する名所の一つとなりました。
これらは夜間ライトアップを拝観させていただいたときの写真です。
机の上に外の紅葉が反射してシンメトリーのように映り込む構図はすっかり有名になりましたね。
【誰もいない部屋に美しい紅葉が浮かび上がった】
新緑の時期も青紅葉が非常に美しいです。
【新緑の時期の瑠璃光院にて】
瑠璃光院は近年特に有名になった影響で拝観に数時間待ちというような状況もあったみたいです。
事前にSNSで情報を確認しておくことも重要かと思います。
桂坂 モミジバフウの並木道
【閑静な住宅街の中に美しい並木道が広がる】
桂坂の住宅街に伸びるモミジバフウの並木道です。
ここは観光地という場所ではなく、住宅街の坂を登った先から振り返るとこんな光景が広がっています。
200mm〜の望遠レンズの圧縮効果によって印象的な世界を切り取ることができました。最近はSNSでも写真を目にする様になりましたね。
平等院鳳凰堂
【風が止んだ瞬間。水面が鏡となった】
10円玉で有名な平等院鳳凰堂へライトアップがある日を狙って行ってみました。
少しでも風が吹けば水面がゆらいでしまうので、ずっと風が止む瞬間を待っていました。風がやんだ瞬間、水面からもう一つの鳳凰堂が浮かび上がる瞬間は感動しました。
京都のメジャー観光地である嵐山から歩いて20分ほど。竹林を抜けた先にあるお寺です。
僕が大学生になって初めて京都で紅葉を見たのが実はここでした。
あまりにも美しくてその日を今でも覚えています。その日が11月20日だったので、僕の中では京都市内の紅葉はだいたいこの日というイメージがついたのでした。
ここまできたら、この近くにある
大河内山荘
にもぜひ立ち寄って欲しいです。
広大な敷地の中で紅葉を楽しむことができますし、秋は本当に美しい場所で毎年セットで訪れていました。
こちらは京都の北部、舞鶴にあるお寺です。
【『金閣寺』に描かれた三重塔と石段を臨む】
このときは紅葉の見頃を過ぎてしまっていたのですが、それでも印象に残っています。
学生の頃、論文執筆の関係で三島由紀夫の『金閣寺』を読み込んでいました。舞台のひとつとしてここ金剛院も描かれており、実際に三島もここを訪れています。
金剛院の御堂は、もつと昇つたところにある。丸木橋をわたると、右に三重塔が、左に紅葉の林があつて、その奥に百五段の苔蒸した石段がそびえてゐる。石灰石であるために滑りやすい。
引用:『決定版三島由紀夫全集6』2001年
当時30歳の三島は、1955年(昭和30年)の11月に若狭、東舞鶴方面へ『金閣寺』の取材で訪れている様で、
創作ノートには
・三重塔の下のもみぢ美し、もみぢと白い芒原と川をはさむ対比の美。
・105段の苔むした石段の上の石灰岩。
引用:『決定版三島由紀夫全集6』2001年
という金剛院のメモ書きが残されています。
当時『金閣寺』を読み込んでいただけに、物語の舞台となった場所を実際に訪れることの感慨深さをこのときに実感したのでした。創作ノートや日録を読んでみても、三島は確かに当時この地を訪れていたようです。
三島の行動力や創作にかける熱意、日本語の表現方法どれもすごいものがあるなぁと実感しています。そしてこのときの年齢は今の自分よりも年下だということにも驚きます。
【松尾寺駅のホームで帰りの電車を待つ】
当時は車がなかったので、電車で松尾寺駅まで行き歩いて金剛院へ向かったのでした。
東寺 五重塔
京都へ新幹線できたら必ず最初に目に入る東寺の五重塔も毎年撮りに行っていました。
【風が止むと、もうひとつの五重塔が現れた】
東寺の敷地は非常に広いので、恐ろしいほどの混雑というのは経験したことはありません。
ただ、やっぱり写真のようなスポットは人が集中するので、拝観終了間際くらいの方が落ち着いてみれるのかもしれません。
一度僕の目の前で観光に来られていたおばあちゃんが池に落ちてしまったことがありました。気温も低いし足元も暗いので注意が必要です。
広沢池
ここ広沢池も京都の中では思い出の多い場所です。
冬には池の水が抜かれて水はなくなります。
学生の頃はよく友人と夜にここまでランニングしていました。
京都市内とは思えないようなのどかな風景が広がっています。
池の西側には石像の千手観音が祀られています。
市バスでここまで来て、ここから歩いて大覚寺→清涼寺→嵐山へというコースも個人的には好きでした。逆に帰りにここから市バスで帰るというのもありですね。ほとんど始発なので京都駅や河原町方面にもゆっくりと座って帰ることができます。
京都市内の右上あたり、一乗寺にあるお寺です。
散り紅葉が美しく、紅葉した葉っぱと苔の緑のコントラストがとても美しく、この写真はとくに思い出に残っている1枚です。
隣にある詩仙堂と一緒に拝観するのもおすすめです。また、一乗寺は京都の中でもラーメン激戦区になっているのでたまにラーメンを食べに出かけていました。
夜間の特別拝観で撮影した1枚です。
今までご紹介した場所の中で、当時最も人が少なかった場所と記憶しています。
ひんやりとした空気の中、蓮華の間からこの景色を眺めたときのことを今も覚えています。写真で見ていたのはここからの眺めだったんだと感慨深かったですね。
左から椿、灯籠、紅葉、松と並んでいます。
冷たい空気の中でこの景色を眺めながら、ゆっくりと時間を過ごす経験は自分を見つめ直す良い機会にもなりました。
京都で特に観光客が増えるのはやっぱり春と秋だと思います。
そんな観光客で混み合う京都市内を観光する手段として「市バス」を思い浮かべる人が多いと思います。僕が学生の頃はまだ市バスの1日券が500円とかだったので、よく使っていました。
しかし、今は市バスの1日券の販売は終了し、市バスと地下鉄がセットになった1日券に切り替わっています。
ここからもわかる通り、京都市内の観光はバスではなく、むしろ地下鉄とJR、阪急、京阪、近鉄といった
鉄道を使って移動した方が効率よく回ることができます。
京都駅から市バスに乗っても30分動かない、四条烏丸から祇園まで40分かかった、なんてことが秋の京都では普通に発生していた記憶があります。
特に四条河原町の歩道が広がって車線が減った年なんかは渋滞がすごかったですね。なので京都市内を自家用車で観光するのもやめた方が良いと思います。
地下鉄とJRを使えばおおよその場所には行くことができますし、歩いてもそれほど時間のかかる街ではないので
観光の際のアクセスはまずは市バス以外の手段で考えてみるというのがおすすめです。
今日は秋の京都で思い出に残っている場所についてお話ししました。
細かい部分を入れるともちろんまだまだたくさんあるのですが、今回はここまでにしたいと思います。
秋の京都はどこに行っても人は多いのですが、やっぱりメジャー観光地のライトアップなんかは凄まじい混雑です。清水寺のライトアップを経験するとわかります。
【清水寺の秋の大混雑】
清水寺の秋のライトアップは毎年行っていたのですが、年々人が増えているような気がしていました。
写真の場所から清水の舞台と紅葉のライトアップを撮影しようと多くの人でごった返していて
この日僕は結局景色を眺めることなく家に帰ったのでした。
京都のメジャー観光地のライトアップの人出の多さは本当に驚きますよ。こういう状況があるんだということは、特に初めて京都観光をされる方は頭の片隅に入れておいても良いと思います。
最近はSNSなどでも情報が収集できるので、これらの情報を参考に、みなさんの京都観光がより良い思い出になったら嬉しいです。
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