誰もいない東光寺で感じた「雨の日の美しさ」
先日、立命館大学時代の友人が名古屋からはるばる山口県へ遊びに来てくれました。

お互い学生の頃からの共通の趣味で、時間が合えば風景写真を撮りに行っており、友人は山口県には過去何度も訪れてくれています。



そんな学生時代の友人とカメラを片手に先日萩市へ行ってきました。
この日はあいにくの雨模様の天気でしたが、せっかくなのでまだしっかりと見て回ったことのない
萩市まで行ってみようと車で向かったのでした。



雨の日は苔や木々の緑、石畳などが雨に濡れてしっとりとした情景になるので、京都に住んでいたときもよく雨の日にお寺巡りをしたものでした。ということで今回は東光寺に行ってみることにしました。



2人とも東光寺の拝観は初めてだったので楽しみです。
これから東光寺を訪れる方には、
こちらのYouTubeでその雰囲気を感じることもできます。



車で訪れる場合はナビに東光寺と入力、もしくはGoogleマップで東光寺と調べると駐車場まで迷うことなく到着できるのではないかと思います。自分たちも事前の下調べなどすることはなく、検索結果に表示されるままに訪れました。
所在地:山口県萩市椿東1647


【GoogleMapより引用】
東光寺は萩市の東側に位置しており、松陰神社から車で5分ほどの距離に位置しています。
自分たちは陶芸の村公園側から進んできたので、東光寺は下り坂の右手に見えてきました。



途中の陶芸の村公園も、晴れた日なら萩市内が一望できるとても眺めの良い公園でした。河津桜の名所でもあるみたいですね。


【GoogleMapから引用後一部加工】
総門に向かって坂道を下っていくと、右手に東光寺駐車場の看板が立っていたので、
こちらに車を止めさせていただきました。



ここからも参拝受付ができるようなのですが、当日は受付の方がいらっしゃらず拝観料は小銭で箱の中に入れるスタイル。小銭がなかったため、どこかで両替できないかと総門の方へ坂道を下って行きました。


【GoogleMapから引用後一部加工】



駐車場から2分ほど歩いて坂道を下ったところに総門があります。そこをくぐった右手側にも拝観受付がありました。



総門から入ろうと坂道を下っていると、向かい側には萩焼のお店がありました。ちょうどコーヒーを飲むコップを探していた友人がちょっと寄ってみたいということでお店の中を見てみることにしました。
ということで、お寺に入る前に少し休憩。
総門の前にある萩焼のお店「萩焼の東光」さんへ。



一つづつ色合いや形の違う器が時間と共に経年変化していくことでより風情を感じられるようになる「萩の七化け」についてや、現在の萩焼の作り方の違い、焼き方によって異なる色合いなど、とても丁寧に教えていただきました。
友人も納得の品を購入することができたようです。



萩焼の話以外にも、東光寺の灯籠など見るべきポイントや周辺の観光スポットなども教えていただきました。こういう旅先での出会いは思い出に残りますよね。
それではお寺を拝観させていただきましょう。
※東光寺の受付は無人のときもあるようで、その場合は受付前に置いてある箱の中に拝観料を入れるスタイルになっていました。拝観するタイミングによっては拝観料(300円)をちょうど入れるためにはあらかじめ100円玉を小銭で持っておく必要があるかもしれません。
令和6年に建立から333年という黄檗宗の東光寺。



境内そのものが国指定の史跡となっており、こちらの赤い総門、三門、鐘楼、大雄宝殿、の4つの建築は国の重要文化財に指定されています。
そして一番奥まで進んでいくと毛利家の廟所があり、3代〜11代までの奇数代の藩主と妻のお墓、その前におよそ500基の石燈籠が建てられています。



8月15日の萩の送り火の日には「万灯会」として500基すべての石灯籠に蝋燭が灯され多くの方が参拝に訪れるのだそう。
※初代と2代目から12代目の藩主は同じく萩市内の霊椿山大照院に祀られているとのこと。こちらにも600基を超える石燈籠があるようで、次回はこちらも拝観させていただければと思いました。



総門には「護国山」の額が掲げられています。その横には
不許葷酒入山門と刻まれた禁牌石が置かれています。



にんにくなどの強い匂いのある野菜やお酒を持ち込んではならないという意味でしょう。禅宗寺院の入り口に掲げられているのを目にすることがあります。
総門から境内の中を眺めてみます。


【総門の前から三門を眺める】
総門をくぐり、拝観料を支払い中へと進んでいきます。三門が見えてきました。


【国指定重要文化財の三門】
まっすぐ進んでいくと大雄宝殿が見えてきます。
この日は雨ということもあり、背後に霞が立ち上り幻想的な情景に出会えました。
この裏手に石燈籠の廟所があります。


【大雄宝殿の背後に幻想的な霞が湧き立つ】
それでは廟所の方へ回ってみたいと思います。
このときの拝観者は自分と友人の2人だけ、
誰もいない空間の中、
木々の雨粒がポタポタと落ちる音、鳥のさえずりだけが聞こえてきます。
石燈籠が見えてきました。


【近づくにつれどこか神秘的な雰囲気が漂う】
雨に濡れた石畳を転ばないように慎重に歩き、進んでいきます。
東光寺で最も印象的な情景だと感じたのが次の写真。


【今まで訪れたことのない空間に息を呑む】
もしも晴れた日であればまた違う雰囲気だったのかもしれません。



しかし、この日の雨の影響で石畳と草木のしっとりとした質感が際立ち、500基の石燈籠に囲まれた空間は美しい景色でありながら、同時に畏怖の念すら抱かせる、独特の空気をまとっていました。


【苔むした石段や石燈籠が時の流れを映し出す】
お盆の時期、これほどの数の石燈籠に蝋燭が灯されたらそれは神秘的な雰囲気なのだろうなぁと思いながら
次の目的地へと移動したのでした。



東光寺の情景はSNSなどの写真ではみたことはあったのですが、この度初めて拝観させていただくことであらためて自分の目で見ることができました。雨の日の東光寺というのは観光ガイドブックにはあまり載っていないかもしれません。しかし、雨の日は神秘的な雰囲気でとても幻想的な情景に出会うことができました。



注意点があるとすると、歩きやすい靴で拝観することがおすすめです。とくに雨で石畳が湿っているような日は足元がとても滑りやすくなっているので注意が必要です。
今回撮影した写真は先日購入したOM3で撮影してみました。





コンパクトなボディでありながらしっかりと情景を映し取ってくれてデザインも美しい。良いカメラだなと実感しました。



特に今回のような雨の日は足元に注意しながら歩く必要があるため、軽くて持ち運びしやすいカメラは重宝しました。これからも気軽に持ち歩いて色々な風景を撮影していきたいと思います。
やっぱり気の合う友人とカメラを片手に美しい情景を探し歩く時間は学生の頃から変わらず
とても楽しい時間ですね^^
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