読みたいことを、書けばいい。
京都から山口に夫婦でUターンしてきて、これからの日々などを綴るためにブログを始めることにしたのが2ヶ月ほど前。
せっかくなら自分の今までの経験や、今後の体験を文章にして残していきたいなと思いいくつか本をピックアップしました。
その中でまず、自分が良かったなあと思ったのがこの本。
これは自宅近くの市立図書館でたまたま手にとった本でした。家で読んでいると、
「これは手元に置いておきたい」とすぐに購入しました。
まず、
本の文字がちょっと大きい。
それなのに簡単な言葉で、スラスラ読み進めることができます。
でもなぜこの本が自分の心に響いたのだろう?そう考えると、
他の文章術とは違った違和感があったからでした。
ブログを始めてみると、文章の書き方というジャンルの本が山ほど出てきます。
SEO〜など、なんのことやらわからない言葉がたくさん出てくる。どうやら文章術の本を読んだほうが良さそうだ。
まがりなりにも、大学は文学部だったので、それなりに文章もどきは書いてきたつもりです。
でも、SEO〜などという邪念が頭をよぎる。そこを意識していない文章はダメですと言われている気がして筆が進まない。
そんなとき、本書を読んでいると心が軽くなると同時に、ハッと気付かされることがありました。
そもそも
自分が書こうとしている文章って「随筆」なんだ。
随筆というと、学生の頃の国語のテストで読まされたけど、じゃあ「随筆」ってなに?
そう聞かれると答えられない人って多いんじゃないでしょうか。
手元の辞書の定義によると、
特定の形式を持たず、見聞、経験、感想などを筆にまかせて書きしるした文章
と定義されています。
そうすると、ブログやSNSで目にする文章のほとんどは「随筆」だということになります。
本書の中で、筆者は随筆を
「事象と心象が交わるところに生まれる文章」
p54から引用
と定義しています。
文章を書きたいと思っている人の多くが、自分が書こうとしている文章の定義すら曖昧になってしまっている。
自分も今までなんとなくで言葉を綴ってきたことを反省しました。
危うく文章術などの本やSEOなどといった言葉を意識し続けて、わけのわからない随筆もどきを量産するところでした。
定義をしっかりとしておくことで、自分が今何を書いているのか見失うことはないと筆者は言います。
僕は昔から、新しいことを知ったり、驚いた経験などを友人にすぐに話したくなる性格でした。
ではなんで話したいのか?それは
自分の経験を、それを知らない友人に「自分の言葉で」伝えることで、互いに感情の変化が生まれる
から。逆に、友人がすでにその話を知っていたりすると、先をこされたような、残念な気持ちにもなりました。
文章ってこれに似ているな、と思いました。
実際に本書でも
その文章を最初に読むのは、間違いなく自分だ。自分で読んでおもしろくなければ、書くこと自体が無駄になる。
p99から引用
と述べられています。
もしも他人がすでに話した内容とまったく同じ内容の話を友人にしても、またその話か、と思われてしまうだけです。
それほど今の世の中には、無理やり他人に読ませようとするテクニック論がものすごく多いんだな、と感じました。
文章術やSEOなどを意識する以前に、根本的に意識しておかなければならないことが本書には書かれています。
この本を一文でまとめると
本書を読めば、どのような意識で文章を書いていけばいいのか、順を追って説明されています。
もしも文章を書くことに迷っていて何冊も文章術の本を読むのなら、まず1冊本書を読むことをおすすめします。
自分の経験したことが、まだ誰も書いていない。だから自分が読んでおもしろい文章をつくるのであって
テクニック論で武装した孫引きの文章は誰の心にも響かない
本書を読んで自分が心に留めておきたいことをまとめるとこうなりました。
文章術の本には、いわゆるテクニック論なども書かれていたり、読んでいて眠くなるものもあるのが事実です。
しかし、本書は、著者が長年コピーライターを勤められていたという経験もあってか、
言葉の選び方や伝え方が違和感なくスッと頭の中に入ってくる感じがしました。
読み進めていると感じる、他の文章術の本とは違う違和感はここからもきているのかもしれません。
各章の終わりに書き綴ってあるコラムこそ是非読んでほしい部分でもあります。
文章術のジャンルに入る本書ですが、就活を控えた大学生にもおすすめできる部分がたくさんありました。
僕もこの本を読み返しながら、これからブログの執筆を楽しんでいきたいと思います^^
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