ハサミも消毒が必要と聞くけれど・・・
8月が終わり、家の近くのスーパーにも紅葉の装飾が目につくようになりました。
わが家にはバラの鉢がいくつかあり育てているのですが、手元の本で育て方を確認していると
9月上旬は夏剪定をやろう
という記載があります。
わが家のバラの多くがデビッド・オースチンのバラなので、動画で夏剪定のやり方などを確認しています。
この動画の中で、夏剪定のやり方が解説されているのですが、

「複数のバラを育てている場合はその都度消毒しましょう」とも言われています。



バラを育て始めた頃は、ハサミの消毒なんて考えたこともなかったのですが、最近バラが1つ枯れてしまったこともあり、もう少し丁寧に育てていこうとあらためて思いました。
そこで、剪定するときもハサミは消毒しようと思ったのですが、
様々な情報がでてきて意外とその方法がわからない・・・。



自分のやっている方法は果たして正しいのだろうか?なんてモヤモヤします。
なので一度自分なりに
バラの剪定時のハサミの消毒
について確認しておこうと思ったのでした。
ハサミの消毒は必要なのか
デビッド・オースチンのYouTubeの解説の中でも
バラの剪定のときにはハサミはその都度消毒するようにと解説されています。
クリスマスローズなんかも「ブラックデス(黒枯病)」という病気が存在するそうですが、
ハサミの消毒がとても大切なんだと聞いたことがあります。



わが家ではロサオリエンティスのバラも育てているのですが、こちらは特に耐病性が高く感じます。やはり耐病性という点から考えると、デビッドオースチンのバラはより繊細に作業する必要があるなぁと育てながら感じています。
多少の病気はしょうがないですが、やっぱり枯れるのは悲しいのでやれることはやっておきたいと思うのでした。
ということで、わが家ではハサミの消毒もやっておこうと思うのでした。
後述しますが、デビッドオースチンの担当者の方に確認してみたところ、
やっぱり
剪定の前後や異なる株を剪定するときはハサミを消毒することが理想
ということ、合わせてその方法を教えていただきました。
それらを踏まえて、
バラを剪定するときのハサミの消毒方法について考えてみたいと思います。
具体的なハサミの消毒方法とは
バラの剪定の方法や植え替えの情報はたくさん出ていて、おおよそが統一した認識なのかなと思います。



しかし、ハサミの消毒って意外と調べても出てこないんですよね。
手元の本で確認しても、明確なやり方というものが書かれていなくて困りました。



やはりプロの意見を参考にしたいと思い、デビッドオースチンとバラの家のご担当者さんにハサミの消毒方法の必要性や具体的な方法について教えていただきました。
【デビッドオースチンロージズ】
○消毒用エタノール(70%前後)
スプレータイプを刃に吹きかけて、布やペーパーで拭き取る。
→この方法が一番手軽で、ハサミの刃も傷みにくい。
○次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなど)
5〜10倍に薄めたものに刃先を浸す。
→この方法は消毒力は強いが、金属が錆びやすいので使用後は必ず水で洗って乾かし、オイルを薄く塗る。
剪定の前後、株を変える時に消毒するのが理想。
普段はエタノールスプレーで十分だが、病気の株を切った後はハイター消毒することを推奨。
最後に刃を乾かし、油を薄く塗っておくと錆防止になる。



担当の方が丁寧に教えてくださいました。
消毒用エタノールの濃度は70%前後のものが良いのだそう。濃度70%というのは、おそらく100%近くの高濃度では揮発する関係で消毒の効果が薄れてしまうからではないかと思います。
病気のバラを切った後はしっかりとハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒することの大切さ、ハサミを油で保護することの必要性を教えていただきました。
【バラの家】
ハサミを媒介しての感染リスクを防ぐ意味合いではハサミの消毒は有効な手段。
→コロナ予防でマスクをして出かけるのとハサミの消毒は同じようなイメージで考えてみては。
ただし、ハサミの消毒ですべての病気を防ぐことができるかというとそうではない。
→がん腫の病原菌などはどこの土の中にも存在するためハサミ以外の感染源もあるため。
結論として、病気の完全な防除は難しいのが現状だが、ハサミの消毒は行うに越したことはない。
とても丁寧に教えていただきました。



ハサミの消毒に気を取られるあまり、バラの状態を見てなかったということがないようにしたいですね。
参考としてハサミの消毒についてお話しされている部分についてのYouTube解説を教えていただきました。
12分11秒あたりでハサミの消毒に関して触れられています。
その方法として、
逆性石鹸のオスバンSを1000倍〜3000倍程度に希釈したものを霧吹きでハサミに吹きかける
という方法が語られていました。



偶然にも、わが家もオスバンSを使用しており少し嬉しくなりました。以前何かで「逆性石鹸」というキーワードに辿り着いてその時に購入したのでした。手軽な値段で大量に希釈液が作れるのでたくさんのバラを栽培されている方にとってはこの方法も良いのかもしれません。(ハサミの消毒だけだと使用期限内に使いきれないかも)
オスバンSはドラッグストアなどでも手軽に入手することができます。


【オスバンSの使用上の注意】


【オスバンSの使用上の注意】



ロサオリエンティスのバラをわが家でも育てているのですが、とても強く元気に育ってくれています。耐病性の高さというのがここまで育てやすさに影響するのかと実感したのでした。
耐病性が高く育てやすい、そして様々な姿を楽しめるロサオリエンティスのバラたちですが、動画の中でそんなバラたちをさらに徹底して管理されているプロの姿に感動したのでした。
わが家で育てているバラたちは基本的にデビッド・オースチンかロサオリエンティスなので、
今回の内容はとても勉強になりました。



+αもう少し勉強しておこうと、それ以外にも少し調べてみました。
こちらでハサミの消毒について言及されていました。
ここでは「ビストロン-10」という消毒液が使用されていました。





こちらでも消毒後はしっかりと油でハサミを保護することを推奨されていますね。わが家ではずっとツバキ油を使用しています。


こちらでは「ビストロン-5」がおすすめされていました。





こちらは希釈の必要がなく、そのまま浸すだけで使えるのだそう。
その他、PWのHPにもハサミの消毒方法に関しての記載がありました。
こちらでは一番お手軽な消毒方法としてキッチンハイターを使った方法が紹介されています。
100倍希釈のキッチンハイターに2分ほどハサミを付け込んで拭き取るというものです。



たくさんの品種のバラを剪定するときなどは、アルコール消毒もしくはオスバンSでの消毒を行い、定期的にハイターで消毒するという流れが身近なアイテムとして現実的な消毒方法ではないでしょうか。
スプレーで吹きかける方法は簡単なので、今後ともこれで育てていこうと思います。
おわりに
特に今年の夏は本当に身の危険を感じるような暑さでした。



実は今年の猛暑の影響で根腐れを起こしてしまい、イングリッシュローズが1つ完全に枯れてしまったのでした。
この暑さについてもデビッドオースチンの担当者さんから教えていただきました。



「梅雨が明けると急に気温が上がる日本の酷暑の環境では、イギリス生まれのイングリッシュローズは耐えられず弱ってしまう傾向にあり、加えて夏場は水の管理が非常に難しく、根っこにストレスがかかりやすい状況になりがちになってしまう」ということでした。一部では日本の猛暑により苗の動きが止まり、水の吸い上げも止まり、根っこの窒息による根腐れが始まってしまう状況が発生してしまうのだそうです。



最近の夏は特に根腐れや水切れになってしまうため、蕾も新芽も見られない、いわゆる苗の成長が止まっている状況では漫然と水やりをするのではなく、鉢が軽くなったら水やりをすること、加えて鉢をスタンドなどで上げ通気性を確保することを心がけることも大切だと教えていただきました。
春先に購入した幼い苗などは、無理な夏剪定はせずに
とくに夏の管理(水やり)を丁寧にやってあげることが大切なんだとあらためて実感しました。
そして、もしも弱ってしまったバラを病気のついてしまったハサミで切ってしまったら・・・。
そう考えると、やっぱりできることはしておきたいなと思うのでした。
夏剪定の基本についてはバラの家のHPでも紹介がありました。



環境で負荷がかかってしまうため、これ以上の負荷はなるべくかけたくないと考えると、剪定で病気を蔓延させたくないなと思うのでした。
デビッドオースチンもロサオリエンティスもどちらも育ててみると感動する品種ばかりです。
今回の知識をもとに、夏剪定とハサミの消毒を適宜行いながら、次のバラの開花を楽しみにしたいと思います。
今後もわが家のバラの栽培記録も綴っていきますので、ぜひご覧ください^^
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